adidas Japan K.K.

アディダスジャパン株式会社

クライアントインタビューVol.1: アディダス ジャパン株式会社様

・アディダス ジャパン株式会社 営業統括本部 副社長 南 佳美様 (前グループeコマース ディレクター、以下「アディダス 南様」)

・ブースト・コンサルティング合同会社(以下、「ブースト」)佐藤 純、杉本 大地

プロジェクト概要

  • 目的: 自社ECサイトの集客および売上向上
  • 主な内容: 集客、サイト、ロイヤルティ等の新規施策・改善提案
  • 結果: プロジェクト開始後数ヶ月で売上が増加、年間ベースでも飛躍的に成長

ブースト 佐藤 : プロジェクトを始められた理由や当時の状況を教えていただけますか?

アディダス 南様 : 社長とeコマースの戦略について話している時に、知識とリソースが足りないという現状があり、まず必要になってくる知識とリソースがなかったため、これを補ってくれるようなコンサルティング兼アドバイザーのようなコンサルティング会社に協力を求めてみてはということになりました。

 コンサルティング会社を入れて実際に効果があるかわからないけれど、一緒にドリームプランを夢見てくれる会社を探してみようというところから、まずはスタートしています。

ブースト 佐藤 : ドリームプラン(笑)。

アディダス 南様 : プランを作った時、私たちもこれは……と思いましたが、今になってみると当初のドリームのような目標が現実になりつつあります

ブースト 佐藤 : そんな中で弊社を選んでいただいたのはどのあたりが決め手になりましたでしょうか?

アディダス 南様 : 一番は我々と一緒に寄り添ってくれるようなコンサルティングをしていただけるところ。戦略プランをポンと渡されて、「御社でやってください」という感じのコンサルティング会社ではないところ。

 また、かなりチャレンジングな目標だったので、それを一緒に「やろう!」と言ってくれる会社であったこと。

 あとは簡単に言うと人柄ですね。ある程度長期になることは分かっていたので、うちの人間との相性とか、真摯に一緒に取り組んでもらえるかという人柄であったという部分も非常に大きかったと思います。

アディダス南様インタビュー002

ブースト 杉本 : プロジェクト初期について振り返ってみていかがだったでしょうか。いろいろありましたね。

アディダス 南様 : 初期はいろいろありましたね。本当にいろいろ。大変なこともあったし。やっぱり最初の頃は、どういうスピードで一緒に歩んでいくのか、他のベンダーさんもいらっしゃるのでどのようにお願いするか等々、課題は多かったですね。システム上、気が付いてもらっても直ぐに修正できなかったということもありました。

 ただ、いろんな知識をもらったし、いろんな切り口・角度を最初の半年間で教わりました。それをやったらどうなるのか、効果検証の仕方なども最初はあまりわかりませんでした。よく何をもってして達成とするかという話をしましたが、御社が考えてくれる切り口と目線を合わせていったのが最初のフェーズかなと思います。 

 そこから、ある程度もう目線が合ったところで、実行していくフェーズに移っていき、効果が出始めました。もちろん結果が出たもの出ないものもありましたが、出ているものに力を入れて、みんなのリソースも費やして伸ばしてきたというのが最初の半年ですね。

ブースト 杉本 : ちなみに、何カ月目ぐらいで、なんか大丈夫そうだなって思われましたか?

アディダス 南様 : 3か月ぐらいでしょうか。だから、もし御社がほかの会社と同じような、寄り添う形のコンサルティングをされるんだとしたら、お薦めとしてはやっぱり4カ月ぐらいは最低でもあったほうがよいと思います。やっぱり1カ月ですぐ結果を出すというのはなかなか難しいですね。お客様の流れも変わるし、特に弊社のような商品だと季節によっても流れが変わるので。 

 企画を考えるのに1カ月。アラインできて、インフラが整って初期の準備ができて、実行するのにもう1カ月。レビューして次のステップに進むか、これは捨てるかという、これが1つのタームになるのかなと私は思っていて、これが多分積み重なっていき、さらに掛け算になるから売り上げが5~6カ月目に一気に上がる。

ブースト 佐藤 : 実際、そうでしたね。

アディダス 南様 : 何か1つおいしいことをやったから一気に上がるというわけでもないし、在庫が増えたから上がるわけでもありません。地道とはいえ、やっぱり積み重ねをみんなでやっていき、効果検証をする。いいこと悪いことを見定める。 お金を費やさなくても対応できるところもあるし、お金をもっと費やせば結果が出るところもあるし、これをすり合わせてもらえたのが、多分、最初の数カ月間でしょうか。

ブースト 佐藤 : eコマースチームの社内での認識のされ方が変わったと聞きましたが。

アディダス 南様 : 最初に高い目標掲げてプロジェクトをやりますと社長から全社にアナウンスがあり認知が上がっていたところに、実際の売上も上がってきたので、我々のチームも社内で動きやすくなりました。eコマースで先行して商品の予約や販売ができるようになるなど、大きな変化はありました。

ブースト 佐藤 : 今って異動したいと手を挙げてくるような方も。

アディダス 南様 : いっぱいいますよ。昔はほとんどいなくて、誰か紹介してと私よく言っていたのですが、実は今はお断りしているぐらいの状態です。

ブースト 佐藤 : 一緒に仕事をやらせてもらってeコマースチームの方たちが結構底上げというか、プロジェクトを始めたころと比べたら会話のレベルがあがりましたね。

アディダス 南様 : 一緒に教えてもらうことによってみんなの知識レベルが上がって、知識レベルが上がると意識が上がってくるから、追いかける数字のポイントもレベルが上がってきます。そのレベルが上がってくると周りへの説得力も強くなってきて、部下を育てるときにも高い意識レベルでスタートして教えられるから成長が早い。多分、御社にサポートしてもらって、意識改革含めて勉強をさせてもらったというところだと思います。

アディダス南様インタビュー004

ブースト 杉本 : プロジェクトは最初の 6カ月ぐらいが、結構厚くやらせていただいて、その後薄めに継続的にやらせていただいているところというのは、どうですか?そこもわれわれお役に立てているかどうか。

アディダス 南様 : 私にとってもそうですが、チームにとって心の支えというか、ガーディアンのような存在っていうのかな。うまくいっているときには、もしかしたら今まで身につけた知識で進められるのかもしれない。ただ、ここからもう一歩先であるとか、あとやはりデジタル業界は動きが速いので、新しいニュースであるとか、新しい知識であるとか、こういうテストやってみたらどうですかとかといった情報を、弊社のグローバルよりも速いスピードで情報提供してもらえる。

多分、そこが大変助かっています。日本で効果があるもの、効果がないものもあるし、日本の国内だけでものすごくいいものもあるし。このバランスを御社がフィルターをかけてくれて、われわれを守ってくれるガーディアンとして、レコメンドしてくれて、それインプリメントして見られるという、この流れが非常に心強く感じており、御社に継続的にサポートしてもらおうと決めた大きなポイントだったと思います。

ブースト 杉本 : われわれとしてもやっぱり長くやらせていただくと、われわれも知らなかったというか気付かないようなことも分かることっていうのは結構あって、じゃあ、どうしようというのができるのもある。

アディダス 南様 : うちのチームも、新しいメンバーが入ってきても、元から知ってくれている外部のサポーターがいてくれるという安心感があります。だから質問もできるし。チームにとってもそうだけど、私たち会社側にとってもすごい安心感だと思う。

ブースト 佐藤 : 弊社の悪いところや弊社に対するご要望はいかがでしょう。

アディダス 南様 : そうですね、強いてあげると、遠慮しないでもらいたいです。できる、できないは別問題として、やっぱり言ってもらえなくなると分からなくなる。いいも悪いも含めて、こういうところを改善したほうがいい、こういう情報を入れたほうがいいということを、どんどん、多分シャワーのように言ってもらえてるときって、チームみんなを必死で動かすけど、すごく勉強になることが多くて。

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ブースト 佐藤 : あるべきことをちゃんと、正論をちゃんと、あまり関係者を気にしないでということですか。

アディダス 南様 : そうですね。やっぱりあるべき論があって、できること、できないことはいろいろ判断を切っていかなきゃいけないから、プライオリティも変えていかなきゃいけないし。

ただ、やっぱりあるべき論を例えば最初からこれが無理だろうなと思って、ちょっとこれじゃなかったけど、こっち側の方向に、というところからスタートすると、私たちは分からずこっちの方向に向かって進んでいっちゃう。それで、実はこっちだったというのが後で分かると、すごく時間が回り道だからもったいないというか。それは要望かな。

ブースト 佐藤 : 今後、課題としてかんがえられていることはありますか?

アディダス 南様 : 今後は多分会社自体もそうですけれども、オムニチャネルもeコマースやデジタルという切り口でもう切り離せていかない。もう今までみたいにリテールはリテールだけやっていればいい。営業は営業だけやっていればいいという時代ではなくて、営業の取引先もeコマースをやっていらっしゃるし。

多分、オムニチャネルは会社が成長していく基礎に今後、この5年、10年でなっていくはずのものだと思っています。

ブースト 佐藤 : 今、デジタルが関係ない分野ってないですからね。

アディダス 南様 : そう、もう何をやったってそう。広告もそう。物を買ってもらうのもそう。 だから、プロジェクトで教えてもらったことを、今のチームが人材交流も含めて社内にどんどん移植していって、オムニ化も進んでいくと思うし、会社としても、ブランドとしてもそうあるべきだと私は思います。御社に相談する領域が広がっていくと思いますよ。